食事介助の演習

今日は食事介助の演習について写真とともにお届けします。

皆さんは、看護業務における食事をどのように捉えればいいと思いますか?

 


看護という言葉から思い浮かぶのは、患者さんに栄養を摂ってもらうことで早期回復やを促すといったことではないでしょうか。それももちろん大切ですが、入院中や治療中は制限が設けられていることもあり、患者さんにとって食事は楽しみや喜びを感じる時間でもあります。

 

また、看護者にとって食事介助の時間は、食事を通して患者さんとコミュニケーションをとる機会でもあります。食事介助をすることで、コミュニケーションの円滑化をはかり、患者さんの体調、精神面等の状態を知る機会としています。

患者さんにとっての食事の意義と、看護者として行う食事介助の役割を頭に入れて、実際に動いていて知識や技術を深めていきます。

 

 

患者さんがきちんと食べ物を飲み込めるように、枕を使って首の角度を調整します。正しくできているでしょうか。

なるべくなら座った状態で食事をする方がいいのですが、患者さんによっては上体を起こせない方もいらっしゃいます。その場合は写真のように上体を30度ほど起こした状態で食事をしてもらいます。(患者さんの状態によって上体を起こす角度が30度だったり、45度だったりします)このようにして角度をつけるのは、患者さんの誤嚥(むせること)を防ぐためです。

視覚障害のある患者さんを食事介助する際には、看護者が食べさせるケースとご自身で食事されるケースがあります。

視覚障害のある患者さんで、ご自身で食事を摂る患者さんには、食事を上の画像のように配置して、時計の針を思い浮かべてもらい、『主菜は12時の方向』『ご飯は8時の方向』というように説明します。これを【クロックポジション】と言います。クロックポジションを用いて食器の位置を把握しやすくし、食事がスムーズにできるように介助します。

 

クロックポジションだけでは正確な位置が把握できなかったり、食器を倒してしまうこともあります。そういう場合は写真のように看護者が患者さんの手を食器まで誘導して位置を確認してもらいます。
患者さんの『自分でできる』『自分でしたい』という気持ちはメンタル上、良いことなので医療・看護的観点から自主的に動いてもらって問題がなければ、看護者は患者さんの行動を尊重することが大切です。

これらの点を踏まえて、演習に臨んでみましたが、うまくいったでしょうか?


『うまくできなかった、失敗してしまった』そんな事が授業や演習であると思います。けれど、授業や演習で大切なのは失敗してしまった時、何が原因だったか、どうすれば正しく実施できるのかを見つめ直すことです。失敗をそのままにせず次に活かすことが看護学校では大切なのかなぁと思います。

 

それでは今回はこの辺で。次回の更新もお楽しみに。

 

 

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