静脈注射の演習

12月、師走ですね。看護学校で働くようになってから、師走という字を見ると走り回る看護師さんの姿が思い浮かぶようになりました。看護のシゴトの忙しさは12月に限った話ではありませんが、誰かのために走り回る姿はかっこいいですね。

看護学生たちも年内残り1か月を走り抜けます。

 

 

今日は注射の演習の様子をお届けします。一口に注射と言っても種類は様々です。患者さんの症状、注入する薬の種類等に合わせて適切な注射を行います。

 

 

今回の演習は『静脈注射』です。
“筋肉注射”や”皮下注射”は文字通り筋肉や皮膚組織に針を刺し、薬剤を注入する方法です。これらに比べて静脈注射は注射針を直接血管に刺して薬剤を注入するので、薬の効きが早く表れます。

その為、間違った薬剤を注入してしまったら命に関わることもあり得ます*1。こうしたトラブルを防ぐため、正しい患者さんか、薬剤は正しいものか、適正な投与方法か、などに注意を払う必要があります。

 

 

これは前回の与薬の演習時にやった『与薬の5R』を意識するということですね。

前回の演習で学んだことが次の演習で活きてくると、知識が身についてきているのを感じて勉強が面白くなってきますよねぇ。

 

血管に針を刺すことを想定しているので、このような注射練習用のモデルを使用します。血管を模した管には疑似血液が機械を通して循環しています。

 

練習モデルの上方に巻かれているのは、駆血帯(くけつたい)というものです。名前ははじめて聞くかも知れませんが、注射のときに巻かれた経験がみなさんにもあるんじゃないでしょうか?駆血帯を腕に巻くことで血管が浮き出てくるので、注射に適している血管をみつけることができます。

 

 

静脈に注射針を刺すと『プツっ』という感覚が手に伝わるそうです。「その感覚ってどんな感じですか?」と生徒から声があがりました。その繊細な感覚を感じ取るには練習が必要みたいですね。でも、今はわからなくていいんです。ここから分かるようになるための看護学校ですので。はじめのうちは上手にできないことが多いかもしれませんが、クラスメイトと繰り返し練習し慣れていきましょう。そばで先生も見守ってくれています。

 



 

 

上手に注射ができた瞬間、自然と拍手が巻き起こりました。一人ではなく、みんなで挑戦している感じがいいですね。

 

注射の演習は難しいけれど、みんなどこか楽しそうでした。楽しいことも、学ぶ上で大切ですよね。楽しく前向きに学んだことを、医療の現場で真摯に対応していきましょう。


最後までご覧いただきありがとうございました。

今回はこの辺で。それではまた次回の更新でお会いしましょう。

*1:これは静脈注射に限ったことではなく看護全般に言えることです。間違いがないよう、自分の行動を確認しながら看護を行います