ストレッチャーの演習

今回はストレッチャーでの移動を想定した演習です。医療ドラマ等でこの名前を聞いたことがある人もいるかも知れませんね。生徒のみんながどんなことに注意して演習しているか一緒にみていきましょう。
 
ベッドからストレッチャー(その逆も)へ患者さんを移乗する際にはベッドとストレッチャーを同じ高さ*¹になるように調整します。
重たい鍋を想像してみてください。その鍋を横に水平移動させる場合と、上下に移動させる場合、横に移動させる時のほうが楽に感じませんか?
今は重たい鍋を想像しましたが、これが人間だったらさらに重たく、また重心を捉えるのも難しいので安定させるのにコツが必要ですね。上下の移動を少なくしなるべく水平移動させることで患者さん・看護者の負担を減らすことができるのです。
 

*¹場合によっては移乗先をやや低くすることもあります。


ベッドからストレッチャーへ患者さんを移動させるシーンです。患者さんの身体に負担がかかったり、手足に怪我を負わせないよう注意を払います。脱力した状態の人間を自力で持ち上げるのはなかなか大変です。

先ほど書いたようになるべく水平移動を心掛けます。そして複数人で、かつ、上手く力が伝わる方法で移乗を行います。なるべく自分の近くで患者さんを持ち上げるイメージです。重たいものを持つ際に腕を伸ばしたまま持つより、腕を曲げ自分の身体に近い所で持った方が楽に持つことができると思います。こうしたコツを看護の技術に落とし込んでいきます。
 
ストレッチャーを動かす時は患者さんの足先が前方になるようにします。頭から移動すると患者さんは進行方向が見えず不安になることもあります。また頭の方を先に方向転換するとその揺れで乗り物酔いしてしまう方も中にはいます。
 
さらに頭部を後にすることで患者さんの全身を確認しやすいという利点もあります。担架を使用して患者さんを運ぶときも先述の理由があるため足先を前方にします。
 
 
実際にストレッチャーを動かしてみると想像より重たく、操作も小回りがききにくいので安定した操作をするためには練習が必要です。
 

 

ストレッチャーを操作している学生が気にならないような段差も、患者役で横になっている学生には大きな揺れとして伝わります。進行方向が見えると言っても自分で動いていないので予測ができないので恐怖感はあるかもしれませんね。
 
実際に患者役をしていた彼に乗り心地について聞いてみました。
「視線が上を向いてるので、どういう動きが次に起こるか分からないという不安がありました。あと、揺れが結構大きく感じて怖かったです」とのことです。
 
彼が感じた不安や怖さを解消するには、ストレッチャーの操作になれるのはもちろんですが、それより先に患者さんとコミュニケーションをとり、「この先揺れますよ」「右に曲がります」と声かけをすることが大切です。
 
 
前回に車椅子についてのブログと被ってしまいますが、結局何が一番大事かというと受け持っている患者さんの気持ちをかんがえる。これに尽きます。
 
「どこまで患者さんに寄り添うことができるか」看護に携わる者にとって最初に考えるべき課題であり、看護者として成長したあとも考え続けることなのかもしれませんね。
 

 
 
 
 
 
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