令和4年度戴帽式

『看護師』という言葉から、看護師の姿を想像すると、以前はナースキャップをつけた姿を思い浮かべる方が多かったと思いますが、最近では医療機関看護学校でもナースキャップを採用する所は減ってきています。

 

本校でも実習等で生徒が付けることはありませんが、戴帽式(たいぼうしき)という式典の中で、儀式のひとつとして現在も引き継がれています。

戴帽式という式典は、医療機関での実習に赴く前に看護学生にナースキャップを与え、看護業務に従事する者として生命と向き合う覚悟と、看護者としての誇りや責任を自覚させるための儀式です。

それでは早速、戴帽式の1日を写真とともに追っていきましょう。

 

式典準備

朝から忙しく走り回る先生たち。式典の流れ、会場のしつらえ、コサージュの数。入念に準備をすすめます。

 

 

 

先生たちが楽しそうで思わず一枚撮りました。

先生の現役時代には、ナースキャップにワンピース、白いストッキングという格好が看護師の世界では当たり前の装いだったそうです。先生たちが看護学生として学んでいた時は、ナースキャップにワンピースの装いをすることで、女性らしさや看護師としての誇りを自覚し、その伝統を守ることが看護師の美学だとする当時の先生もいらっしゃったようです。
日本で看護師の養成がはじまって約130年。時代は流れ、社会も変わりましたが、人の心に寄り添う仕事であることは、今日も変わることなく令和の看護教育にも息づいています。

 

先生の体感としては1995年~2000年頃にナースキャップの廃止とワンピースタイプの白衣から、パンツスタイルの白衣に変わる動きがあったそうです。看護師が登場するドラマを見ると、その時代を象徴しているのが分かります。今は看護師の服装は、スクラブやユニフォームと呼ばれるものに変わり、性差なく誰もが看護業務を行う上で効率を考えた服装が一般的になりました。

 

式典では、ナイチンゲール像から灯火をもらうキャンドルサービスが行われます。これはクリミア戦争時に、夜間もランプの灯りを片手に患者のもとを走り回り献身的な看護を行ったナイチンゲールの逸話によるものです(諸説あり)。

ナースキャップや灯火が看護者の象徴とされるのはこの辺りに端を発します。いわゆる“白衣の天使”というイメージと彼女が結びつきますが、実際は自身の信念を曲げない強さを持ち、看護業務の為に情熱を燃やす女性だったようです。

天使とは、美しい花を振り撒く者ではなく、苦しみあえぐ者のために戦う者のことだ

という言葉を残していることからも、彼女の看護にかける強さを感じ取れます。

 

 

教室の様子

登校した1年生たちは白衣に着替え、コサージュを胸につけてもらっていました。

 

 



式典には昨年戴帽式を経て、現在 臨地実習中の2年生がお手伝いで参加してくれています。

 

 

1年生へのロウソクを渡しと、ナースキャップのピン留めを担当してくれました。

2年生にもなると、余裕を感じますね。学務主事の先生を捕まえて記念撮影していたところを記念撮影しました。本校の学務主事や講師を務めてくださる先生は、この地域で診療にあたっている医師や医療従事者の方が大半です。

在校生・卒業生たちが地域の医療を支えることのできる看護者として、はじめの一歩が踏み出せるよう教職員全力で取り組んでいます。『地域医療』と文字にすればたった4文字ですが、課題と展望にあふれた言葉です。この言葉をただのスローガンに終わらせることなく、機能として血が通ったものにする為、私たちは活動しています。この地域の方々の健康を支える担い手が、数多く巣立てるように努力しなければなりません。

 

式典がはじまる

在校生たちが式典会場へと移動し、あとは開式時刻をまつばかり。


1年生が移動した後の教室には、2年生がサプライズでお祝いの飾り付けとメッセージの準備をしています。

 

ふだん臨地実習に全力で取り組んでいる2年生にとっても、少し羽を伸ばす機会になったのかも知れないですね。設営や手配、ありがとうございました。寒くなってきたので、体調崩さないように残りの実習も乗り切れるといいね。

開式

 



それではまた、次の更新で。

 

おしらせ

来週、10月26日(水)から推薦入試(高校新卒者)の出願期間となります。受験希望の方、出願お待ちしております。

 

一般・社会人の方向けて、一般入試(前期日程)の出願期間は来月11月15日(火)からです。現在願書を販売しております。受験や学校生活等のご相談等ありましたらお気軽にお問合せください。

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